大阪工科は、専門職大学という今までの大学制度とは違う大学制度で始まっている大学です。
ですが実際に、その大学で行われている講義とは一体どういう物なのか。これが分からない事には始まらないのではないでしょうか。
今回は前回紹介した『1年前期の講義全紹介』の続きとして1年後期の講義も全てお伝えし、大阪工科で、そして専門職大学でどういった講義が行われているかをお伝えすることが出来ればと思います!
また、後期の科目という事で前期から続いている科目も多数あります。
そのためこちらの記事から先に読んでいただくと、より理解が深まると思います。
是非ご一読いただければと思います!
なお、これからの記事で出てくる「コマ」は、“1週間に何回その講義があるか”を表しています。
例えば1コマだったら1週間に1回。2コマだったら1週間に2回といった感じです。
是非参考にしていただけると幸いです。
※このブログを投稿した時点では、大阪国際工科専門職大学HPの教員紹介に名前が挙がっている方・名前の掲載に関して許可を頂いた教員方のみに限定して講義担当の講師の方を名前を載せています。
随時追記・修正等が入ると思いますので、ご理解の程をよろしくお願い致します。
大阪工科の教員紹介のページURLは、このブログの最後に貼ってありますので、是非ご覧ください。
講義科目①(一般教科)
英語コミュニケーションⅠB
まずは皆さまお馴染み「英語コミュニケーションⅠB」です。
これは1年前期の「英語コミュニケーションⅠA」の続きとして用意されている講義です。
この講義は2コマあり、担当されているのは「李 春美」教授と「Bessete Alan Joseph」教授です。こちらも前期のⅠAと変わらず李先生とbessete先生の両名に担当して頂きました。両学科での受講となります。
特徴としては教授も同じ方なので前期と変わらずといった感じです。
ですが前期を通して感覚という雰囲気がつかめたので、授業のスピード的な所で言うと上がっている感じはしました。
前期と同じくリスニング・スピーキングに重きを置いた授業の進め方をされており、テストも筆記ではなくスピーキングテストとして実施されました。
線形代数
次は数学、「線形代数」です。大学数学の中でもメジャーな物の一つではないでしょうか。
この講義は1コマで、担当して下さったのは「島津 浩哲」教授です。デジタルエンタテインメント学科のみの受講になります。
島津先生は1年前期で「電子情報工学概論」を教えてくださった教授です。後期では数学全般を担当して頂きました。
そしてこの講義では、高校数学の数Ⅲ「ベクトル」の延長にある『線形代数』を学んでいきます。
恐らく他大学の工学部や情報学部でも同じように学ぶことがある科目の1つなのではないでしょうか。普通にしっかりと数学ですし、何なら大学数学の範囲にある物なので普通に難しいです…。(笑)
ちなみに文系理系関係なくデジタルエンタテインメント学科全員が受講します。テストもあるので気を抜くとやられてしまう人や、数学が苦手な人には苦戦する科目の一つかもしれません…。
解析学
次も数学の「解析学」。こちらも大学数学でよく見る科目なのではないでしょうか。
この講義は1コマで、担当して下さったのは「島津 浩哲」教授です。デジタルエンタテインメント学科のみの受講になります。
先ほどの「線形代数」と「解析学」は両方とも島津先生に担当して頂きます。この授業もしっかり数学です。大学数学です。(笑)
そしてこの講義では、高校数学の数Ⅲ「微分/積分」の延長にある「解析学」を学んでいきます。
こっちも文系・理系関係なくデジタルエンタテインメント学科全員が受講しますし、期末テストもしっかりあります。
なので実質数学2コマです。これは苦手な人はかなり効くんじゃないでしょうか…。
数学が苦手な人や高校数学、特に数Ⅲを履修している人といない人で分けられると思います。
ですが大阪工科では1年の前期に高校数学の補修が用意されたり、講義内でもサポートがありました。
なので「高校数学出来ないと単位取れないの!?」と心配する必要はないと思います。
もちろんやっていない人はその分頑張らないといけないというのはどうしてもありますが、サポートする環境は整っています。
詳しい事はこちらの記事から!(この記事の最後にもURLがあります!)
国際関係論
この講義は耳なじみのない方もいるのではないでしょうか。「国際関係論」です。
この講義は1コマで、講義を担当してくださったのは「久保田 ゆかり」講師です。両学科での受講となります。
この講義では国際関係について学びます…。と言われてもあまりピンとこないと思います。簡単に言うと読んで字の如く。国と国との関係について考えていく学問になります。
実際に講義の中で出て来たキーワードとして、「リアリズム」や「リベラリズム」といった国際関係論の中では代表的とも言える理論を学んだり、国同士の歴史や関係から理論分析を行ってみたり…と、一言で説明できませんが、このような手法を用いて国際社会を紐解いていく講義になります。
“え!?こんな事もやるの?”と思われた方もいらっしゃると思いますが、これが『専門職大学』の見えない特徴の1つだと考えています。
社会と倫理
この講義も耳なじみが無かったり、聞いても内容が浮かばないタイプの講義だと思います。「社会と倫理」という講義です。
この講義は1コマで、講義を担当してくださったのは外部の講師の方です。両学科での受講となります。
こちらは倫理を学ぶ講義、倫理学の様な物だと思ってもらって差し支えありません。
社会で起こっている倫理的な問題に対して、どのようなアプローチで解決していけるのか、またなぜこの問題は起こってしまっているのかや、倫理的な考え方についてを学ぶ講義になります。
倫理的な思考で言うと、「トロッコ問題」といったジレンマや、生命倫理など。それら幅広く行っていたと思います。
先ほどの国際関係論にも同じことが言えますが、広く浅くでも、様々な学問を学ぶことが専門職大学の見えないながらに1つのテーマになっていると私は考えています。
ちなみに先ほども出て来たこの「トロッコ問題」。
将来エンジニアになったりプログラマーになる人には関係ない…わけではなくなってきています。
今このトロッコ問題は解決されなければいけなくなっています。それは自動車の自動運転技術です。
何故トロッコ問題と自動運転技術が繋がるのかについての説明は省きますが、このように専門職になるためにはそれだけを学ぶだけではいけないという時代になっていく中で、それらに対応するための知識として広く浅くでも他分野の学問を学ぶことが大阪工科ではテーマになっていると感じます。
講義科目②(大阪工科の特色がある科目)
ゲームデザイン論
いかにも大阪工科という名前の講義、「ゲームデザイン論」です。
この講義は1コマで、担当してくださるのは「松谷 隆廣」教授です。デジタルエンタテインメント学科のみでの受講となります。
この講義では1年前期の「ゲーム構成論」の続きとして、1年前期と同じく松谷先生に担当して頂きました。
前期の講義では“ゲームの面白さを論理的に考えていく”講義でしたが、今回の講義ではそれらの知識を前提に講義が進みました。
このゲームデザイン論では、ゲームのルールや、プレイヤーの行動に対する結果といったゲームの要素を細かくして、それら1つ1つに対して分析を行っていく。という前期と比べもっと深く細かい講義が行われていました。
・この行動に対してこの結果を返すと何が面白いのか?
・どういう選択肢がゲームの面白さを生むのか?
・このルールのどこがゲームとして盛り上がる事の出来る要素なのか?
こういうゲームの細かい所まで考えることのできる講義になっていました。
生活言語コミュニケーション論
この講義も一般的ではないかもしれませんが、魅力的な講義の一つ。「生活言語コミュニケーション論」です。
この講義は1コマで、担当してくださるのは「吉村 誠」講師です。両学科での受講になります。
この講義では講師として、『M-1グランプリ』の創設者である吉村誠先生が、その知識や経験を活かして、“しゃべくり”についての講義を行っていただきました。
吉村先生自身がプロデューサーとして、様々な人とコミュニケーションを行って仕事をしてきた経験から私達に講義を行っているとインタビューで伺えました!
この講義は普通の講義とは違い、吉村先生独自のコミュニケーション論にある程度基づいて講義が行われているので、普通の大学の講義と比べる事はできないと思います。
そんな吉村先生とのインタビュー記事はこのブログにありますので、この講義の内容をもっと詳しく知りたい方もこちらをご覧ください!
地域ビジネスネットワーク論
続いては「地域ビジネスネットワーク論」です。
講義は1コマで、担当してくださるのは外部の講師の方です。両学科での受講となります。
この講義は1年前期の「関西産業史」と同じ講師の方に担当して頂き、内容としても関西産業史の知識や学びを受け継いでいる物もありました。
1年前期の関西産業史では“関西”をテーマに産業の文化や歴史。これからの課題といった所にフォーカスしていました。
ですがこの講義では、関西というテーマから飛び出し、様々な問題や産業について考えていく講義になります。
例えば通信技術と産業がどのような結びつきを見せてきたのかだったり、中小企業との関わりや地域格差の是正、地域でのビジネスや地域発のイノベーションを起こすにはどうすればいいのかといった、産業とビジネス、そしてそれらと社会の繋がりといった事を学ぶ講義になります。
関西産業史の時もそうですが、説明がどうしても難しくなってしまうのはご了承頂ければと思います…。
CG・プログラミング等の科目(実技科目)
Python言語
後期のプログラムの授業は、この「Python言語」の講義だけになります。
講義は1コマで、担当してくださるのは「高木 慶介」講師です。デジタルエンタテインメント学科のみの受講となります。
前期でのプログラミング関連の講義は「ゲームプログラミング基礎」で、C言語を主に扱っていたのですが、後期は名前の通りPythonというプログラミング言語を学んでいきます。
もちろんこの講義も実際に手を動かして行う実践系の講義で、前期と同じく1講義に1個以上は必ず新しい知識や手法が出るので、覚えてついていくのはとても大変でした。
更に課題も他と比べて多く、頭と学んだ手法の両方を使わないと課題をクリアすることが出来ないので、他の講義と比べてもハードルという面では高くなってきます。
デジタル映像制作Ⅰ
続いては「デジタル映像制作Ⅰ」という講義です。読んで字の如く映像を作っていきます。
講義は1コマで、担当してくださるのは外部の講師の方です。デジタルエンタテインメント学科のみでの受講となります。
こちらは講義の繋がり的には「CGデザイン基礎」に繋がってくる物があります。何故なら両方adobe社のソフトを使って講義を行うからです。
CGデザイン基礎はPhotoshop、Illustratorの2つを使い“画面・画像”を作っていく講義でした。
ですがこのデジタル映像制作Ⅰは先ほど出て来た2つのソフトに加え、映像系ソフトのAfter EffectsとPremire Proという2つのソフトを使い“映像を作っていく”講義になります。
Adobe社の先ほど出て来た4つのソフトは、プロも使っている最も代表的なツールの1つ言っても過言ではないでしょう。そういったソフトを使いながら作品を作る講義です。
こういった講義が何か大阪工科に関係あるのか?と思われた方も多いと思いますが、様々な形での作品制作の経験は、3DCGやゲーム制作などでも活用できます!
更に言えばadobeのソフトは汎用性が高く、ほんとに世界中で使われているソフトなので、学べる機会があるのなら学んでいて損はありません!
デジタル造形Ⅱ
この講義は「デジタル造形Ⅱ」です。
この講義は2コマで、担当してくださるのは「松本 文浩」准教授です。デジタルエンタテインメント学科のみでの受講となります。
前期の「デジタル造形Ⅰ」の続きの講義になります。担当講師の方も同じ大阪工科の准教授になりますし、内容もデジタル造形Ⅰの知識や経験を前提に受講する物になります。
使うソフトも前期と変わらずAutodesk社のMayaというソフトを使います。これも3DCGの業界ではプロも使っているプロツールとして名前が挙がるソフトの1つになります。
そんなデジタル造形Ⅱなのですが、正直デジタル造形Ⅰよりも圧倒的に難しかったです……。(笑)
デジタル造形Ⅰでは3DCGの中でも“モデリング”を主にやっていたのですが、Ⅱの方ではモデリングに加え“アニメーション”もメインに取り扱っていました。
モデリングとアニメーション。どちらも3DCGなのですが、これらを作るための作業が別物過ぎて苦戦しまくった記憶がありますね……。(笑)
もちろん実技系の講義なので難しいのはそうなのですが、その分形が出来たり、アニメーションで実際に動いたりするのを見ると、人一倍の達成感も味わえますよ!
コンピュータグラフィックスⅡ
最後は「コンピュータグラフィックスⅡ」です。
この講義は1コマで、講義を担当されるのは外部の講師の方です。デジタルエンタテインメント学科のみでの受講となります。
この講義も前期と同じく「コンピュータグラフィックスⅠ」の続きとなります。つまり3DCG系の2つの講義は1年間通しで行われているという事になります。
担当されている講師の方も前期のⅠを担当されていた方と同じ方になります。
そんなこの講義ですが、デジタル造形が実践なら、コンピュータグラフィックスⅡは理論の講義になります。
デジタル造形で実際に触りながら手法を学び、このコンピュータグラフィックスで理論を学んでいくといった形で、この1年間3DCGについては学んでいきました。
最後に
はい、いかがだったでしょうか!
1年前期にも同じように全講義を紹介する記事を投稿しましたが、1年後期と比べて見て、大阪工科での1年間の学びが一体どういう物だったかというのを知っていただけたと思います!
2年生の講義についても、1年と同じように全て紹介していこうと思っているので、もしよろしければ是非ご覧いただけたらと思います!